15歳の時、高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家庭で育った「俺」と、母親にネグレクトされていた吃音のアキは、共有できることなんて何一つないのに、互いにかけがえのない存在になっていった。大学卒業後、「俺」はテレビ制作会社に就職し、アキは劇団に所属する。しかし、焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、俺たちは少しずつ、心も身体も、壊していった……。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描きながら、人間の哀しさや弱さ、そして生きていくことの奇跡を描く。
本書は著者が初めて、日本の若者の生きていく上でのしんどさに真正面から取り組んだ作品。