東京・新宿で、複数のバーの経営や人気イベントを手がけ、経営者や漫画家として活躍していたモカさんは、29歳の時、マンションの屋上から飛び降りた。感受性の強さから世の中に絶望し、鬱病を悪化させてのことだった。しかし奇跡的に生還。過酷な入院生活での気づきを経て、その後は残る人生を社会への貢献に使うことを決意した。今では経営の傍ら、生きづらさに悩む人たちからの人生相談や、発達障害者の支援などに力を注いでいる。
デザイナー、プログラマーでもあり、元男性のトランスジェンダーでもある彼女が、自殺問題を「日本の戦争」と捉え、自殺願望者に寄り添う活動を始めた理由とは。600人を超える無料お悩み相談で見えてきた日本社会の問題、苦しむ人たちを救う道とは。多才かつ献身的な活動を、継続して取材する朝日新聞記者がまとめる。本人による描き下ろし漫画も掲載。