多くの災害が起こるたびに、年齢がより高い人や障がいのある人たちに被害が集中し、また、女性や生活困窮者、その他のマイノリティの人たち、あるいはニューカマー・一時滞在中の外国籍の人たちが被災すると、社会の根底にある社会的障壁により支援の手が届きにくい事例にも枚挙に暇がありません。
このような状況をなんとか解決したい。そのために、防災をどのように考えるのか、あるいは私たちはそれぞれの立場からどのような関わりをしていくべきなのか、それらの問題を考えるためのブックレットです。
「i‐BOSAI」の「i」はinclusive(包摂的=誰一人取り残さない)の「アイ」、私(I)から始めるの「アイ」、「愛のある防災」の「アイ」。
目標は、誰一人取り残さない防災の実現。当事者が誰一人取り残されない。地域社会は誰一人取り残さない。そして自治体・行政は誰一人取り残させない。これら三つの力を重ね合わせることによって、高齢の人や障がいのある人たち、そして支援の手が届きにくいすべての人たちの被害を最小限に留め、ひいては命を守るための一冊。