本書は、非行のある少年や犯罪をした人を主人公とする「保護観察」という舞台の上で、更生に向けた筋書きのないドラマがいかにして展開されたのかということを、著者が接してきた数多くの事例に基づいて述べたものである。最前線で目の当たりにした情景や戦術などとともに、心理学や社会学の知見を生かした立ち直りの舞台裏や仮面を外した主人公の素顔に迫ることも試みられている。*保護観察における見立て、面接のコツから、犯罪傾向や属性から考察した立ち直りへの支援のあり方が述べられた読み物としても印象深い実践書となっている。